クラッチワイヤアジャスタ台座の製作
ストーリアX4はミッションキャパシティ限界のトルクを与え、クラッチはとりあえず圧着力だけ強化したという体裁なので、ご存知の通りクラッチ周りは鬼門である。
色々壊れるポイントはあるが、今回はクラッチワイヤアジャスタ台座(以下、台座)の樹脂部分が損傷した。
これにより、クラッチワイヤアウタホースを適切に保持することができず、
という事象が発生する。要因としては、
- 台座がやや軟質のゴム系樹脂でできており、圧着力増大によるワイヤ張力増加に対応できない
- 台座とミッション側ブラケット(鉄)の嵌合部クリアランスが大きく、ブラケット側の穴で台座が絞られながら変形してしまう
といったことが考えられる。
クラッチワイヤのスペアは持っているが、新品交換してから半年もたたずに壊れているため、交換しても再度壊れるのが目に見えている。
このため、台座部分を3Dプリンタで作り直すことにした。
形状面の観点は次の通り。
- クリアランスを詰め、ブラケットの穴で台座が絞られる挙動を抑制
- 受圧部の肉厚を増やし面圧分散
- 車両取付状態で交換できるよう、ワイヤーを通す溝を追加
- 純正の回りどめ機構は維持
材料は、強度・耐熱性・耐候性の観点からASAを選択。
交換してから1500kmほど走って外してみたが、変形等もなく問題なさそう。
また、ペダルフィーリング変化も特にない。
3Dプリンタ印刷時間は約1時間で、製作費は電気代含めても100円以下(3Dプリンタ本体価格は除く)。また、交換に要する時間も5分程度なので、壊れてもまた交換すればいいや~という安心感(?)がある。スペアを作って車に載せておきたい。